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COLLECTION DETAILS収蔵品詳細

獅子 Lion

明治34-35年(1901-02)/紙本金地着色 屏風装(六曲一双)

169.0×363.0cm(各)

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教育 非商用 商用

SUMMARY作品解説

欧州から帰国した栖鳳が現地の写生を基に、3ヶ月後の第7回新古美術品展へ出品したセピア調の《獅子》(所蔵先不明)に連なる作品。同作は「金獅子」と呼ばれて注目された。金地の一双屏風に大胆な空間をとり、力強い墨筆で椰子の木を配する。その木間を悠然と進む獅子の姿は、鬣から足の先の毛並みに至るまで精確に描写され、観る者を驚かすほどの迫真性がある。外遊の直後に描かれた獅子の屏風作品は本作以外に現在7点が確認できる。本作は他の例に比べ、獅子の着色が強く、セピア色とは言い切れないものがある。逆に着彩と墨色が互いに強め合う効果を狙っているかのようだ。いずれにせよ、栖鳳が欧州から持ち帰ってきた驚きと感動が結実した記念碑的な作品の一つといえる。

ARTIST作家解説

竹内栖鳳

Takeuchi Seiho1864-1942

京都に生まれる。土田英林に習い、幸野楳嶺に師事。師に学びつつ、各地を写生したり古画や他派の名作を模写し糧とする。明治25年(1892)、京都市美術工芸品展に《猫児負暄》(所蔵先不明)を出品し、諸派の画風が混在するとして「鵺派」と評される。同33(1900)年、パリ万博出展に伴い渡欧。同40年(1907)より開設した文展で審査員を務め、《雨霽》、《飼われたる猿と兎》(いずれも東京国立近代美術館蔵)など傑作を寄せる。京都市立絵画専門学校開校時の専任教諭を務める。近代京都画壇の棟梁として土田麦僊はじめ数多くの門弟を育成。生涯実物写生を貫き、西洋も含めた各派を融合させた独自の画境に達した。昭和12年(1937)に制定後初の文化勲章を受章。

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