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COLLECTION DETAILS収蔵品詳細

蓬莱山図 Mount Horai

昭和1年(1926)/絹本着色 軸装

132.0×36.5cm

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教育 非商用 商用

SUMMARY作品解説

「蓬莱山」は中国の伝説上の山で、仙人が住む不老不死の地とされる。中国および日本で古来より描かれてきた伝統的な画題の一つ。溪仙は型にはまらない特異な文人画として知られたが、ここでも空想上の場所である蓬莱山をその自由な画想で描いている。縦長の構図を遠・中・近に分け、遠景には山の中腹に古寺を臨み、中景にはなだらかな野と川の流れ、近景には古寺を目指した行者たちが橋の上で会話をする情景が描かれる。空想上とはいえ、近景の流麗な川の流れや遠景を臨む空間のこなし方には溪仙の現実に即したたしかな技倆を窺える。

ARTIST作家解説

冨田溪仙

Tomita Keisen1879-1936

福岡県博多区(現在の福岡市博多区)に生まれる。本名は鎮五郎。字は隆鎮。はじめ衣笠探谷、上田鉄耕に習う。17歳の時に京都に出て、翌年、都路華香に入門。明治32年(1899)、日本美術協会展に入選。同34年(1901)、同展で三等褒状。この頃、富岡鉄斎を訪ね、教えを乞う。また華香を介し内貴清兵衛を知り、支援を受ける。同40年(1907)、紀州への放浪を経て、徐々に文人画的な画風へ転じた。同42年(1909)、台湾・中国を旅行し景勝地を回る。大正元年(1912)、第6回文展出品の《鵜船》(京都国立近代美術館蔵)が横山大観の目に止まり、入選。大観の誘いで第1回再興院展に出品し、第2回展で同人に推挙された。以後、大観とは知己の仲となり、院展を舞台に活躍。代表作には《紙漉き》(東京国立近代美術館蔵)、《御室の桜》(福岡市美術館蔵)、《伝書鳩》(京都市京セラ美術館蔵)などがある。非凡な性格と鋭敏な感性で独創的な文人画を生み出した。57歳で没。

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