『源氏物語 THE TALE OF GENJI』に出品されている作品をご紹介させていただきます。
重要⽂化財《源⽒物語絵詞》鎌倉時代、13 世紀 紙本白描 ⼤和⽂華館蔵
本展では、『源氏物語』を絵巻や冊子、扇子、色紙、掛軸、屏風などの様々な形式で描いた作品が展示されています。
特に本展の第二部では物語のストーリーに沿って、多彩な「源氏絵」を楽しむことができます。
本日ご紹介する作品は、鎌倉時代に制作された《源氏物語絵詞》です。
この絵詞(えことば)は、浮舟(うきふね)の物語の後半部分を描いた写本で、本展で展示される場面では浮舟が薫からの手紙を読んで、匂宮との関係が露見したことを悟り、返事を書きあぐねる場面が描かれています。
薫の文には「私というものがいながら、匂宮に心変わりするなんて」という一首が記されています。浮舟は左手を頬に当て、俯(うつむ)いて座っている姿が描かれていますが、右手には力が入らず、持つ紙が下に垂れさがっています。この作品は平安時代の国宝《源氏物語絵巻》に次ぐ鎌倉時代中期の作品として位置づけられる貴重なもので、見逃すことのできない作品のひとつです。
奈良の大和文華館より特別出品。
展示期間は【前期展示:2月24日(土)から3月10日(日)まで】になります。
貴重な重要文化財、どうぞご覧ください。