
唐花文錦鞋 唐・8世紀 一級文物 新疆ウイグル自治区博物館
現在開催中の「世界遺産 大シルクロード展」に出品されている作品をご紹介させていただきます。
色鮮やかな錦で靴の前面と側面に、多彩な花形である唐花文様(からはなもんよう)を織り出し、内側も丁寧な、華やかな女性用の浅靴です。つま先が反り返った靴は、長いスソの衣装を着ていた中国古代の貴族文化の特徴です。出品番号52番の「樹下美人図」では、女性が似た形の靴を履いており、装いのポイントになっています。奈良の正倉院にも、光明(こうみょう)皇后ゆかりの品として伝わる、そっくりのデザインの靴があります。こうした靴が東西へ運ばれ、服飾の文化がつながっていきました。