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2023.10.18

「世界遺産 大シルクロード展」作品紹介(3)

鳳首杯 唐・8世紀 一級文物 陝西歴史博物館
現在開催中の「世界遺産 大シルクロード展」に出品されている作品をご紹介させていただきます。
西方世界で愛用されたツノ製の盃(さかずき)である、リュトンを真似た陶器です。
角の先端にあたる部分は鳳凰の頭部をかたどっています。鳳凰の口から出る2本の蔓草(つるくさ)が口と胴部に接し、把手を形成しています。胴部には花文様を表し、全体的に緑、褐色、黄色の釉をかけて、鮮やかに装飾しています。背面に接合の痕跡があることから、型によって左右を別々に作り、それらを接合して成形したことが考えられます。多色の色釉をかけて焼成した陶器を三彩と呼びますが、唐に入ってその技法が完成されたことから、以前の三彩と区別して唐三彩と呼ばれています。唐三彩の生産は8世紀、則天武后の頃に始まり、玄宗皇帝の頃に最盛期を迎えました。遠くはエジプトでも出土していることから、輸出用にも製作されていたことがわかります。

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