
7月3日(金)から、東京富士美術館の常設展示にて、2019年に新規収蔵したイリヤ・レーピン《ウクライナの女》を初公開いたします。
レーピンは近代ロシア美術を代表する最も重要な画家の一人で、ロシアのリアリズム絵画の中心人物として知られています。
本作は、画家の今村嘉吉(1887-1941)が旧蔵し、自邸の玄関に飾っていたという作品で、日本国内の美術館が所蔵するレーピン作品としては、横浜美術館が所蔵する《ロシアの少年》に続いて2点目となります。描かれているのはレーピンの代表作《夕べの宴》(国立トレチャコフ美術館所蔵)に登場するウクライナ女性の習作と考えられます。小品ながら、ダンスを踊る民族衣装の若い女の上半身が、荒い筆致で生き生きと描き出されており、画家がパリ留学時代に身近に触れた印象派の影響が色濃く伺える作品です。