
秦の始皇帝の兵馬俑の発見にともなって、驚くべきものが見つかりました。2200年前の輝きを保った銅剣です。長い間地中にあったにもかかわらずほとんど腐食していないのです。それはなぜか。銅剣にはクロムメッキによる錆止めが施されていたのです。クロムメッキは1930年代にドイツで発明されたメッキ技術で、なぜそのような近代の技術が、2200年も前の古代中国に存在したのか。それは秦の秘中の技術であったのか、製造方法は文献にも残っておらず、その後の時代にも伝わっていません。
本展には、秦の始皇帝陵から出土した長い矛「鈹(ひ)」が出品されています。刀身には、製作に携わった人物の名前が彫られています。死後の始皇帝を守護する兵士俑が身につけていた刀身には、2200年前の時を超えた今なお、美しい輝きが宿っています。(金)