寛政6年(1794)5月/木版多色刷 大判錦絵
35.2×23.5cm
江戸から近代へ─東京富士美術館浮世絵所蔵展
会期:2025年03月29日 (SAT)~2025年05月25日 (SUN)
創価美術館(台湾、高雄)
SUMMARY作品解説
本作は、寛政6年(1794)5月に桐座で上演された「敵討乗合話」の中に登場する松下造酒之進を描いている。この話は造酒之進が、同じく写楽が《三代目市川高麗蔵の志賀大七》として描いた志賀大七に討たれてしまい、その後、造酒之進の娘宮城野としのぶの姉妹が商人の肴屋五郎兵衛の力も借り、大七に仇討ちを果たすというもの。写楽はこの宮城野としのぶ、五郎兵衛に加え、脇役として登場する「ぼうだら長左衛門」と「船宿かな川やの権」の2人も1枚の錦絵に表している。本作では、討たれる側である造酒之進がみせる、やや猫背気味で気弱そうなその風貌を見事に捉えている。
ARTIST作家解説
東洲斎写楽
Toshusai SharakuDate of birth/death unknown, fl. 1794-1795
寛政6年(1794)5月からの10ヶ月間のみ活動し、3回に分けて140点余りの錦絵を発表した。中でも注目されたのが《三世大谷鬼次の奴江戸兵衛》や《市川蝦蔵の竹村定之進》を含む、背景を雲母摺にした28点の大首絵のシリーズで、当時の狂言役者を取材したものであった。役者の特長を克明に捉えたことから、「あまりに真を画かんとて…長く世に行われず」(大田南畝著『浮世絵類考』)と良くも悪くも反響を呼んだ。
同じ作家の作品一覧
INFORMATION作品情報

EXPLORE作品をもっと楽しむ

全国の美術館・博物館・アーカイブ機関を横断したプラットフォームでコンテンツを検索・閲覧でき、マイギャラリー(オンライン展覧会)の作成などができます。