常陸 江戸時代末期(19世紀)/鉄、鍛造
刃長38.7cm、反り0.3cm
SUMMARY作品解説
本作は、反りわずかで身幅広く、重ねの厚い平造りの脇指。鍛えは杢目に板目肌、湾たれに小互の目が交じる刃文で、茎には作者銘はなく、指表目釘孔上に、鋤鏨による順公の花押が刻まれている。順公の遺作は極めて少なく、貴重な一振である。
ARTIST作家解説
伝 徳川慶篤(順公)
Attributed to Tokugawa Yoshiatsu (Jun-kou)
順公は、水戸徳川家十代藩主徳川慶篤の諡(おくりな)である。父の九代藩主斉昭(烈公)は水戸刀工の勝村徳勝・直江助政・同助共を従え慰めに刀を鍛えた。「八雲鍛え」は、烈公特有の鍛錬法として有名だが、順公の刀造りは余り知られていない。 順公は、天保3年(1832)、斉昭の長男として水戸で生まれ、弘化元年(1844)13歳で藩主の座につき、明治元年、37歳で没した。父の相手鍛冶は徳勝・助政らだが、順公の相手は水戸鍛冶の関内徳宗あるいは横山祐光と言われている。烈公作は大半が刀であるのに対し、順公の作はほとんどが脇指(寸延び短刀)で、現在数振りしか確認されていない。
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