安政2年(1855)/木版多色刷 大判錦絵
37.6×25.5cm
SUMMARY作品解説
本図はおそらく、曲亭馬琴が書いた伝記物語「椿説弓張月」に取材した場面と思われる。白縫姫は鎮西八郎を称した源為朝の妻。夫為朝は裏切り者、武藤太によって窮地に陥ってしまう。武藤太を捕えた白縫姫は、夫の仇を討つため武藤太の身体に何本もの竹釘を打ち込んでじわじわと責め殺す。目を背けたくなるような場面であるが、ここでは残酷な復讐を描くというよりも、武藤太を抱えたまま藁人形をくわえて金槌を振り上げるという、白縫姫の勇壮な姿が強調されている。
ARTIST作家解説
歌川国芳
Utagawa Kuniyoshi1797-1861
12歳の頃に描いた鍾馗図が初代歌川豊国の目に止まり、程なく豊国門に入る。20代は不遇の時を過ごすが、31歳の頃、《通俗水滸伝豪傑百八人之一個》を版行。これが人気を呼び、「武者絵の国芳」と称された。役者絵、美人画、風景画と何でもこなしたが、中でも3枚続のパノラマな構図の武者絵や歴史画、ウィットに富んだ戯画は大衆の心をつかんだ。親分肌な人柄から落合芳幾、月岡芳年、河鍋暁斎ら多くの優秀な門人を集めた。
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