文久元年(1861)/木版多色刷 大判錦絵二枚続の右
35.4×24.4cm
SUMMARY作品解説
「伊達家の三代藩主・伊達綱宗が吉原の高尾太夫に魂を奪われ、廓での遊蕩にふけって隠居させられた。これはお家乗っ取りをたくらむ家老原田甲斐と黒幕である伊達兵部ら一味の仕掛けによるものであった」。江戸時代前期に伊達氏の仙台藩で起こったお家騒動、いわゆる「伊達騒動」について、巷ではこのような物語がつくられ、歌舞伎でもそのような筋書きでたびたび上演された。ただし同時代の事件などは題材とすることが禁止されていたため、ここでは鎌倉時代の物語とされている。本図は、吉原に入り浸っていた足利頼兼(伊達綱宗)が、恋する高尾太夫が自分を裏切ったのではないかとの疑いを抱いて問いただしている場面である。
ARTIST作家解説
歌川国貞
Utagawa Kunisada1786-1864
幼くから画才に恵まれ、10代半ばで初代歌川豊国の門をくぐる。22歳頃、画壇に登場し、美人画・役者絵を手がける。一雄斎、五渡亭、香蝶楼、喜翁など多くの画号を用い、五渡亭時代に《当世三十弐相》など代表作を残す。師豊国が没し、弘化元年(1844)、正式に「二代目豊国」を襲名(現代では三代とする)。「役者絵の豊国(三代)」との世評を確立し、生涯で残した作品数では他の浮世絵師の中でも最大級の数を誇る。
同じ作家の作品一覧
INFORMATION作品情報
EXPLORE作品をもっと楽しむ
全国の美術館・博物館・アーカイブ機関を横断したプラットフォームでコンテンツを検索・閲覧でき、マイギャラリー(オンライン展覧会)の作成などができます。