文政12年(1829)/木版多色刷 大判錦絵二枚続の右
39.1×26.6cm
SUMMARY作品解説
「傾城反魂香」の一場面。絵師土佐光信の弟子、又平は生まれつき口が不自由だった。ある日女房のお徳とともに、光信の館に来て、土佐の苗字を名乗る事を願い出る。しかし口が不自由なことを理由に許されない。絶望した又平はこの世の名残にと手水鉢に自画像を描いたところ、絵が手水鉢の裏側まで透けて見えるという奇跡を起こした。これを見た光信は又平の筆力を認め、土佐光起の名を与えるとともに免許皆伝を授けた。本図には手水鉢の絵が透けて驚く又平夫婦が描かれる。
ARTIST作家解説
柳斎重春
Ryusai Shigeharu1802-1853, fl. 1821-1849
文政4年頃から天保年間(1821−1844)にかけて活躍した上方の浮世絵師。享和2年(1802)に長崎に生まれ、幼少時に父と大阪に出、絵師としての修行を積んだ。独学で絵を学んだとの説もあるが、国広や江戸の絵師柳川重信に師事したと考えられている。役者のひいき筋の人間が余技として浮世絵を制作していた上方において、最初に職業浮世絵師となった人物である。その力量は同時代の北英と双璧をなしている。
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