天保1年(1830)/木版多色刷 大判錦絵二枚続の右
38.4×26.8cm
SUMMARY作品解説
「彦山権現誓助剣」の一場面。周防の国(現在の山口県)の国主郡音成に仕える剣術師範、吉岡一味斎の娘お園の立ち回りの名場面。京極内匠は、御前試合で一味斎に負けたことから恨みを抱き、一味斎を鉄砲で暗殺する。敵討ちを誓う家族とお園のもとに、上使として衣川弥三左衛門が来訪し、「殿の剣術師範でありながら暗殺されたのは主君の恥である。早々に屋敷を明け渡せ」と悪口雑言を言い放つ。怒ったお園は弥三左衛門を相手に大立ち回りを演じる。じつはこれはお園の武芸を試すためであり、その手並みに感心した弥三左衛門はお園に仇討免許のお墨付きを渡す。お園は女性でありながら武芸に秀でた「女武道」の代表的な役である。
ARTIST作家解説
柳斎重春
Ryusai Shigeharu1802-1853, fl. 1821-1849
文政4年頃から天保年間(1821−1844)にかけて活躍した上方の浮世絵師。享和2年(1802)に長崎に生まれ、幼少時に父と大阪に出、絵師としての修行を積んだ。独学で絵を学んだとの説もあるが、国広や江戸の絵師柳川重信に師事したと考えられている。役者のひいき筋の人間が余技として浮世絵を制作していた上方において、最初に職業浮世絵師となった人物である。その力量は同時代の北英と双璧をなしている。
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