桃山-江戸時代(17世紀)/木製漆塗
高5.5cm、幅20.6cm、奥行22.8cm
SUMMARY作品解説
長方形、角丸、被蓋造(かぶせふたづくり)の硯箱で、内外共に総体金梨子地(きんなしじ)に平蒔絵と高蒔絵で表す。蓋甲には桐鳳凰、見返しは松瀧山水、見込みは竹としている。蓋甲は、水辺の桐に雌雄の鳳凰で、小笹や沢瀉も描かれる。桐花に金金貝(かながい)、凰の尾羽と岩には銀金貝があしらわれ、桐の幹や凰の体、岩や雲に金・銀の切金(きりかね)が置かれる。見返しでは州浜に銀金貝、岩や雲に金・銀の切金が置かれ、瀧は銀蒔絵としている。見込みには硯石と金銅製七々子地に蛇目九曜紋(じゃのめくようもん)を高彫(たかぼり)した水滴が据えられている。 鳳凰は、鳳が雄で凰が雌の中国で創造された霊鳥。『詩経』では、鳳凰が鳴き、高岡で睥睨(へいげい)すると、梧桐が生えてくるとあり、また梧桐でなければ棲まず、竹の実でなければ食べないとする。日本では、『餝抄』の天養21年(1144)の条に、天皇が「黄櫨染 文竹桐鳳凰」の御袍を常に着たことが記され、鳳凰は天子を表すものと考えられている。この硯箱でも蓋表に桐鳳凰、見込みに竹が描かれているのはこうした背景がある。
INFORMATION作品情報
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