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COLLECTION DETAILS収蔵品詳細

出雲松江(曇り日)(「旅みやげ第三集」より) Cloudy Day in Matsue, Izumo, from "Souvenirs of Travel, Third Series"

大正13年(1924)/木版多色刷

36.5×24.2cm

貸出中

江戸から近代へ─東京富士美術館浮世絵所蔵展

会期:2025年03月29日 (SAT)2025年05月25日 (SUN)

創価美術館(台湾、高雄)

画像のご利用について
教育 非商用 商用

SUMMARY作品解説

大正12年(1923)9月1日に発生した関東大震災で被災した巴水は、それまで描き貯めてきた190冊近くともいわれる写生帖や家財を焼失してしまう。そんな失意の巴水を励まし、再び絵筆を握らせ、日本全国を巡る写生の旅に送り出したのは、自らも被災していた版元の渡邊庄三郎だった。この写生旅行は102日間に及び、以後の巴水の画風の転機ともなった。「旅みやげ第三集」は、写生旅行の成果を発表した最初のシリーズともなった。画風は震災前と比べてより写実的になり、全体的に明るく鮮やかな色調へと変化して行く。 ここに描かれている松江は、宍道湖の東岸にある松江城の城下町で、堀を中心に街中を水路が縦横に走り、水の都とも呼ばれている。巴水はこの年の12月に松江を訪れ、同じ構図で「曇り日」「おぼろ月」「三日月」と題した3つの作品を制作した。ここでは、冬の曇り空を背景に、印象的な土蔵の白壁が描き出されている。建ち並ぶ白壁が、緩やかに流れる川面に反射して美しい。

ARTIST作家解説

川瀬巴水

Kawase Hasui1883-1957

東京に生まれ、同地で没する。本名は文治郎。白馬会洋画研究所で洋画を学び、岡田三郎助に指導を受ける。明治43年(1910)鏑木清方に入門。同門の伊東深水『近江八景』に触発され、大正3年(1914)から新版画の制作に手をそめる。同年渡邊版画店から「塩原おかね路」など版画3点を出版。同9年(1920)の『旅みやげ第1集』で版画家としての地位を確立する。「東京十二題」(大正8年)、「日本風景選集」(昭和元年)など、一貫して風景版画に取り組み続け、旅情・叙情溢れる新境地を開拓した。昭和28年(1953)には文化財保護委員会により、「増上寺の雪」の制作過程が記録された。

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