SUMMARY作品解説
こぼれんばかりに咲き誇る藤の花。その枝に群がるスズメたちは嬉しそうに会話を交わしているようだ。和亭の真骨頂である花鳥画の技倆をいかんなく発揮した堂々たる大幅である。藤の枝葉や岩肌の表現には和亭が明清画から習得した没骨描法が駆使されている。書き付けには「庚子寿日」と記されており、本作が明治33年(1900)、和亭71歳の作だと分かる。この年は和亭が没する前年にあたるが、最晩年とは思えないほどその画技は細におよんでいる。
ARTIST作家解説
滝和亭
Taki Katei1830-1901
江戸千駄ヶ谷村(現在の東京都渋谷区)に生まれる。本姓は田中改め滝宮。名は謙。字は子直。16歳の頃、大岡雲峰に明清画を習う。嘉永3年(1850)、長崎に遊学し半年ほど滞在。その間、木下逸雲、鉄翁らと交友。惲南田、周笠等の画を模写しその没骨法に大いに感化を受ける。帰路、京都に立寄り、貫名海屋、山本梅逸等とも交わる。江戸に戻り渡辺華山、椿椿山の画風を慕い、椿山に教えを乞う。明治改元には千葉方面に遊歴する。明治6年(1873)、ウィーン万国博覧会に花鳥画2点を出品。同10年(1877)、第1回内国勧業博覧会に《松樹牡丹》を出品し花紋賞牌受賞。同26年(1893)には帝室技芸員に推挙される。以後、国内展で審査員を務め、受賞多数。没骨彩色による優麗な花鳥画で名を馳せた。72歳で没。
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