江戸時代後期(19世紀)/絹本着色 軸装
120.5×55.0cm
SUMMARY作品解説
松の木を中心とした木々の茂みの向こうには、靄に包まれひっそりたたずむ山々が平明な筆で柔らかに描かれている。季節は桜花咲き薫る春。いかにも竹洞らしい、温和な清らかさと雅品を備えた逸品である。嵐山は、京都で名を立てた竹洞にとっては手放せない画題であったといえるが、あくまでも竹洞自身の心象風景の域を出ない。画面右上に行書体で書された「竹洞山人写」の落款から文化文政期に制作された可能性が高いとみられる。
ARTIST作家解説
中林竹洞
Nakabayashi Chikuto1776-1853
名古屋に生まれる。名は成昌。字は伯明。最初、山田宮常に学び、後に神谷天遊の元に身を寄せる。ここで山本梅逸と知り合う。享和2年(1802)、梅逸とともに上洛し古画を臨模して回る。京都では頼山陽や浦上春琴らと交友をもち、画業においては中国画の模倣を基礎にした山水画を主とし、静謐な南宗画的画境を確立させた。『竹洞画論』『画道金剛杵』『知命記』など著作も多く残す。長男竹渓も画家として活躍した。78歳で没。
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