江戸時代前期(17世紀)/紙本墨画淡彩 軸装
141.0×231.0cm
SUMMARY作品解説
右奥から流れ出る水流の縁に手をかけて佇む虎。その口元を見ると薄く彩色があり、口を開けているのか、舌を出しているのかは判別できないが、水をありつこうとする瞬間を捉えていると分かる。周囲を窺うような視線を送る表情は、まるで猫のようで愛くるしい。大胆な余白の活用が尚信画の特長ともいえるが、ここでも横長の大きな画面に余計なものは描かず、主題に視線を向かせるようなすっきりとした画面構成が見られる。
ARTIST作家解説
狩野尚信
Kano Naonobu1607-1650
江戸時代前期の画家。通称は主馬。狩野孝信の次男として京都に生まれる。狩野探幽の弟。寛永7年(1630)に江戸に屋敷を拝領して幕府の御用絵師となり、木挽町狩野家の祖となる。木挽町狩野家は子の常信がさらに発展させ、狩野派の中枢を担った江戸狩野の中でも最も繁栄した画派となった。兄探幽とともに聖衆来迎寺客殿や名古屋城などの障壁画を制作する。探幽の影響が見られるものの、繊細で叙情的な墨画に優れた。
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