1811年頃/油彩、カンヴァス
210.0×145.0cm
西洋絵画 ルネサンスから20世紀まで
会期:2025年01月11日 (SAT)~2025年03月23日 (SUN)
東京富士美術館:新館・常設展示室2
西洋絵画 ルネサンスから20世紀まで
会期:2025年04月12日 (SAT)~2025年06月22日 (SUN)
東京富士美術館:新館・常設展示室3
SUMMARY作品解説
肖像画の人物はナポレオンの兄ジョゼフ・ボナパルト。ジョゼフは温厚で善良な紳士として、兄弟のなかでもナポレオンが最も信頼した人物であり、その性格はこの絵の人物の表情にもうかがえる。本作を描いたのは、のちにルイ18世の首席画家として活躍するロベール・ルフェーヴルである。皇帝に即位したナポレオンは、征服したヨーロッパ各国を支配する手段として、血縁関係を利用した。兄ジョゼフをナポリとシチリア王、のちにスペイン王に。また、弟ルイをオランダ王、末弟ジェロームをウェストファリア王に据えた。さらには妹ポーリーヌをはじめとする、三人の妹たちをヨーロッパ各国の王侯貴族に嫁がせた。この絵が描かれたときジョゼフはスペイン王に即位していた。ジョゼフのまとう衣装は金の刺繍が施された儀式用の正装であり、彼が羽織ったコートには、ナポレオンが帝国の象徴として採用した蜜蜂の刺繍が施されている。またその胸元にはナポレオンが創設したレジオン・ドヌール勲章が見える。小道具として配置された王錫や王冠、ナポレオンのために指物師ジャコブが創りあげたモデルのラインを踏襲した玉座が、肖像画の人物が王位にあることを物語っている。
ARTIST作家解説
ロベール・ルフェーヴル
Robert Lefèvre1755-1830
はじめ弁護士を目指し勉強していたが、やがて芸術に目覚め、ジャン=バティスト・ルニョーに師事する。パリで肖像画家として名声を得た。フランス革命から第一帝政、復古王政期を通じて肖像画家として活動し、「フランスのヴァン・ダイク」と呼ばれた。第一帝政時代には、ナポレオン美術館の館長となったヴィヴァン・ドノンの庇護を受けて、皇帝一家のみならず帝政時代の高官の公的肖像画家となった。また復古王政期にはルイ18世の首席画家となり、国王一家の肖像画も手がけた。
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作品詳細の音声ガイドは、すべて東京富士美術館の公式ナビゲーターである、本名陽子さんに勤めていただいております。本名さんは声優、女優、歌手として幅広く活躍されています。