桃山時代(16世紀)/紙本金地着色 屏風装(六曲一双)
152.5×350.0cm(各)
SUMMARY作品解説
たくさんの実を実らせた葡萄が竹の棚に絡まりながら画面全体に広がり、豊饒な秋の情趣を偲ばせる。工芸的技法ともいえる胡粉による盛り上げ彩色によって描き出された葡萄の葉と金雲は装飾的な役割を果たしている。画面下半分に土坡と水流が描き、全体に変化と奥行きを与えている。本作のように季節の一つに秋を取り上げ、その景物としての葡萄を大振りに描くという単純明快な表現方法は、桃山の障屏画の典型的な図案といえる。
ARTIST作家解説
狩野派
Kano School
日本絵画史上最大の漢画系画派。室町後期から明治初期の約400年にわたって存続し、絵画史のなかで大きな役割を果たした。創始者は、室町幕府の御用絵師、狩野正信。その後、狩野元信、狩野永徳ら優れた絵師を輩出し画壇の覇権を握る。江戸時代には、狩野探幽をはじめとする江戸狩野が形成され、代々幕府の御用絵師としての地位を保証されるに至った。
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