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COLLECTION DETAILS収蔵品詳細

文読美人図 Beautiful Woman Reading a Letter

弘化2年(1845)/木版多色刷 幅広柱絵判錦絵

66.4×23.3cm

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教育 非商用 商用

SUMMARY作品解説

本図のように竪絵2枚の構図の掛物絵は文化年間中期に英山が好んで使用した形状で、一種のブームを呼んだ。女性は遊女であろう。髪を櫛や簪、笄で飾り、豪華な着物をまとい前帯を結んでいる。柱にもたれかかるように身体をくれらせて立ち、口には文の切れ端であろうか紙片を咥え、むさぼるように文に目を通している。英山は着物に多くの菊の図柄を取り入れたことで知られるが、この女性の着物にも菊文様があしらわれている。裾の間から見える何気ない足の仕草が、この女性の心の動きを想像させて楽しい。英山59歳の頃の作。

ARTIST作家解説

菊川英山

Kikukawa Eizan1787-1867

天明7年、江戸市ヶ谷(現在の東京都新宿区)で生まれる。父英二は狩野派に学ぶ画心のある人物であった。最初父から絵を学び、後に鈴木南蘋につき、友人でもあった葛飾北渓から北斎の影響も受けたとされる。画壇登場の背景は明らかではないが、文化年間初めにはすでに活躍の跡がみられ、活動の初期から初代歌川豊国と交友をもつ。主に美人画を手がけ、喜多川歌麿作品から画風・画想を得るも、どこかにあどけなさと気品を漂わせる独自の美人像を確立した。代表作には《風雨流美人近江八景》などが挙げられる。長女誕生を背景に母子像も多く手がけ、文化後期には注文もピークを迎えた。文政8年、盟友豊国の死を機に画業は細り、晩年は娘の嫁ぎ先である藤岡市に身を寄せ、肉筆画を中心に制作を当たった。同時代の絵師の多くが世を去った慶應3年、81歳で没した。

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