1530年頃/油彩、板
53.1×45.1cm
西洋絵画 ルネサンスから20世紀まで
会期:2024年10月12日 (SAT)~2024年12月22日 (SUN)
東京富士美術館:新館・常設展示室2〜5
SUMMARY作品解説
「山岳風景」と呼ばれる本作が実在の風景かどうかは確定されていないが、おそらくアルプスの風景をもとに構想されたものと思われる。遠景の山脈や青白くかすんだ靄の中には、城郭都市らしき建造物が描き込まれている。また、目を凝らしてみると、近景の木々の間にも城郭や家々、教会などが点在しているのが分かる。本作では連なる山脈と谷間を描いた壮大な風景のなかに、人々の営みを感じさせる建物がじつに細かい筆遣いよって描き込まれており、鑑賞者を絵画世界に引き込む効果を与えている。
ARTIST作家解説
アルブレヒト・アルトドルファー
Albrecht Altdorferc. 1480-1538
ドイツの画家、版画家。初期の経歴は不明だが、ロマンティックな情緒をたたえた風景描写を特色とする16世紀初め頃の南ドイツ、オーストリアに形成されたドナウ派最大の画家。西洋絵画史上、初めての純然たる自然風景画を描いた画家としても有名である。版画や素描にもすぐれ、デューラーとともに《マクシミリアン帝祈祷書》挿絵の制作にも携わった。代表作に《アレクサンダー大王の戦い》(ミュンヘン、アルテ・ピナコテーク)がある。