SUMMARY作品解説
デュフィの父は聖歌隊を指揮し、オルガンを弾く大変な音楽好きだった。デュフィは父の音楽に対する感受性を受け継ぎ、明るい色彩に軽快な描線が走るリズミカルな絵で知られるようになる。生涯を通じて多数の作品を残したが、中でも自らの自由な感性をのびのびと描いた水彩画は、彼の芸術の特徴をよく示している。「絵画はオーケストラの楽譜」と語った彼の絵筆は、本作でも軽やかな描線で花々を捉え、主役のアネモネを中心にそれぞれの質感を生かしながらも、一つの画面の中に融合させることに成功している。こうした軽快なタッチは、彼が数々手がけ、人気を得たドレス生地のデザインにも生かされている。
ARTIST作家解説
ラウル・デュフィ
Raoul Dufy1877-1953
フランスのル・アーヴルに生まれる。フォーヴィスムの画家。1900年パリに出て、レオン・ボナのアトリエに学んだが、1905年頃、アンリ・マティスの影響でフォーヴィスムに転向。明るい透明感のある色彩、軽快な調子の筆触で独自の世界を築く。1912年頃、ポール・セザンヌの影響を受け、厳しい画面構成に努めるが、彼特有のリズム感のある作風を保ち続けた。水彩画にもその才能は発揮され、タピスリー、ステンド・グラスなど装飾芸術の活動も盛んに行った。ファッション・デザイナーのポール・ポワレとの知遇を得て、テキスタイルのデザインも手がける。
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