西晋(3世紀)/
高30.9cm、胴径19.2cm、底径11.2cm
SUMMARY作品解説
壺の上に楼閣をのせた器を神亭壺、魂瓶という。墓室の隅に置かれ、亡き人の魂が宿るところからその名が付けられている。この神亭壺は3層式で、各層には屋根がせり出し、屋根の上には鳥がいる。鳥は豊穣を意味するとともに、死者の魂を天空に運ぶ役目をすると考えられている。胴の周りには鬼面が5つ配されている。一種の魔除けである。この神亭壺は3~4世紀にのみみられ、南朝時代には姿を消す。
ARTIST作家解説
越州窯
Yue-zhou Ware
後漢時代から南宋時代の窯。窯跡は、浙江省の上林湖を中心に分布。代表的な窯跡として、余姚窯(よようよう、寧波市慈渓市および余姚市)、寧波窯(ねいはよう、寧波市)、上虞窯(じょうぐよう、紹興市上虞市)などが知られている。後漢時代には青磁が生産されるようになり、三国時代から南北朝時代になると神亭壺など特色ある青磁が明器として作られた。唐時代後期から五代時代にかけては、実用器としての青磁が作られ、広く海外に輸出された。北宋時代後期には衰退に向かい、青磁生産の主体は龍泉窯に移る。