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COLLECTION DETAILS収蔵品詳細

ブルボン=ブラガンサ家の王子、ドン・セバスティアン・マリー・ガブリエル Portrait of Don Sebastien Marie Gabriel de Bourbon-Bragance

1815-20年頃/油彩、カンヴァス

144.0×105.0cm

展示中

西洋絵画 ルネサンスから20世紀まで

会期:2024年04月09日 (TUE)2024年06月23日 (SUN)

東京富士美術館:新館・常設展示室1〜5

画像のご利用について
教育 非商用 商用

SUMMARY作品解説

この肖像画のモデルとなっている少年は、スペインの国王カルロス3世(在位1759-1788)の曾孫にあたるドン・セバスティアン・マリー・ガブリエル(1811-1875)である。父のドン・ペドロは、ポルトガルの王女マリー=テレーズと結婚し、1811年にスペインのブルボン家とポルトガルのブラガンサ家の両家の血筋をひく最後の一人息子をもった。ホセ・グディオルは、モデルが5歳ぐらいに見えるという推定から出発して、この肖像画が1815年から16年頃に描かれたと主張しているが、モデルはもう少し年上にも見える。しかし、もしもこの絵を注文したのがマドリッドの宮廷だとすると、本作の制作年代は1820年以降にはならないはずでなる。なぜならば、1819年までの間にゴヤと王室との関係は終わっていたからである。また少年の服装について、ホセ・グディオルは、1814年以降に採用されたスペイン近衛騎兵の制服を着用していると考える。したがって、この絵の成立は、早くて1815年頃、遅くて1820年頃の時期に絞られるわけで、ゴヤが宮廷の仕事についていた最後の数年間に描かれたものと考えるのが自然であろう。この親王は、長じてからは大変に教養の高い人物としてその名を知られた。アカデミーの重要なメンバーであり、具象芸術の目ききであり、音楽の愛好家であり、有名な物理学者であった。また豊かな美術品の蒐集でも知られている。この絵の中で少年は右手で背景の風景を指し示しているかに見える。ある学者は、グアダラマ山脈とラ・グランハの王宮がそびえるセコビア近くのサン・イルデフォンソに通じる道を推測するが、このモデルとは関係性が薄い。その一方で、旧カスティリヤからアラゴンへ向かうルートの途中に、タルディエンタ山脈、ナポレオン占領下でのスペインのレジスタンスの戦域を望むことができるが、もしもこの場所だとすれば、画家の愛国的な意図を想像することが可能になる。ところでホセ・グディオルは、この絵の中に子供の肖像を描くときに用いたいつものアプローチを認めている。すなわち、身につけた付属品で示される「力強さ」とは対照的に、顔や着衣を表現するのに「単純さ」を志向している点である。アクセサリーや道具は賑やかで微細に描き、人体や服は単純な技法で処理するという対比の手法は、背景の描写にも見られる。前景の確固とした自然主義と遠景の軽やかな優雅さとは、絶妙なコントラストの対話を生んでいる。ゴヤ芸術の特徴ある絵画法によって描かれた本作は、宮廷肖像画の名手ゴヤならではの「愛想のよい高貴な子供の肖像」の一典型を示している。

ARTIST作家解説

フランシスコ・デ・ゴヤ・イ・ルシエンテス

Francisco de Goya y Lucientes1746-1828

スペインを代表する画家、版画家で、首席宮廷画家。スペイン北東部サラゴーサ地方に生まれる。初めタピスリーの原画制作に従事していたが、ベラスケスを知り、真実を求める写実的傾向を強めていく。ゴヤの肖像画における写実主義は、しばしば鋭い心理描写にまで到達している。大胆な技法と鋭い心理洞察、特に版画に見られる幻想的特質は、ドラクロワを始めフランス・ロマン主義の画家に圧倒的な影響を及ぼした。

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INFORMATION作品情報

出品歴

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参考文献

Literature: (l’introduction tradive du tableau dans la présente exposition n’a pas permis de contrôler les données bibliographiques antérieures à 1950) Marqués de San Brans, Colecctión de uniformes del Ejército español, [Madrid] 1830 Conde de Clonard, Album de la Infantería española, Madrid 1861 Catalogue adrégé des tableax appartenant aux héritiers du feu l’Infant Don Sebastian de Burbon et de Braganza, Paris 1876 Catalogue de la collection de tableaux de fen Son Altesse Royale l’Infante Marie Chrstine de Bourbon, Paris 1902 A.F. Calvert, Goya, London 1908, fig.2 A. de Beruete y Morte, Goya pintor de retratos, Madrid 1916, p.35, fig.93 A.L. Mayer, Francisco de Goya, München 1923; éd. espagnole, Madrid 1925, no.463 Calleja, Colección de cuatrocientos cuarenta y reproducciones de cuadros, dibujos y aguafuertes de Don Francisco de Goya, precedidos de un esistolario del gran pintor y de las notiacías biograficas publicadas por Don Francisco Zapater y Gómez 1860, Madrid 1924, p.242, fig.269 Stora spanska mästare (catalogue de l’expositîon de maitres espagnols au National Museum, décembre 1959-mars 1960), Stockhlm 1959, p.104, no.154 J. Gudiol, Francisco Goya-Rertato del Infante de España Don Sebastian Maria Gabriel de Borbón, Barcelona mai 1959 (communication privée, São Paulo, Archives P.M. Bardi) Arte español en Estocolmo, «ABC» (Madrid) 15.Ⅰ.1960 (ill. aussi en couverture) G. Reimers, Goyaspecialist har fotograferat 400.000 konstverk, « Stockholms Tidningen » (Stockholm) 19.Ⅰ.1960 (ill.) C.Volpe, Maestri della pittura spagnola a Stoccolma, « Arte antiqua e moderna » janvier-mars 1960 E. Camesasca, Pittura spagnola a Stoccolma, « Le Arti » avril 1960 (ill.) J.Gudiol, Francisco de Goya y Lucientes, [Milano] 1965, pp.146 et 147 (ill.)

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