1889年頃/パステル、紙
59.8×49.5cm
SUMMARY作品解説
限りない深さをみせる美しいブルーを背景に、若い女性が淡いピンクのドレスを着て座っている。モデルの右手から胸元にかけて色づけられたブルーの影、テーブルと花瓶の不自然な位置関係、扇や竹(テーブルの縁)といったモチーフに、印象派的、日本的な絵画の諸要素を見いだすことができるだろう。また本作は、パステル画の名手カサットが、コロリスト(色彩画家)としても類いまれなる才能を持ち合わせていたことも示している。
ARTIST作家解説
メアリー・カサット
Mary Cassatt1844-1926
アメリカの女流画家。ペンシルヴァニアの裕福な家庭に生まれ、ペンシルヴァニア美術アカデミーで絵を学んだ後、パリに赴くが、普仏戦争の影響などでアメリカとフランスを行き来する。1877年、エドガー・ドガに出会い、彼の勧めで第4回の印象派展から4度にわたり出品した。コレッジョやジャン=オーギュスト=ドミニク・アングルを学ぶことによって優れた素描の才能を開花させた。また、日本の浮世絵の影響を受け、版画の制作も手がけた。日常生活を叙情的に描写した作品が多く、特に母と子をモチーフにした明朗で平和的な作品を好んで描いた。1926年、フランス北部のメニル=テリビュで没した。
同じ作家の作品一覧
INFORMATION作品情報

2017年10月21日 (土)~1月28日 (日)
北斎とジャポニスム HOKUSAIが西洋に与えた衝撃 国立西洋美術館(東京、台東区)
2016年9月27日 (火)~12月4日 (日)
メアリー・カサット展 京都国立近代美術館(京都、京都市)
2016年6月25日 (土)~9月11日 (日)
メアリー・カサット展 横浜美術館(神奈川、横浜市)
1995年6月24日 (土)~9月3日 (日)
フランス印象派展—光と色彩の交響曲 サンティジャーナ財団本部、ドン・ボルハの塔(スペイン、サンティジャーナ)
Provenance: George Viau, his 2nd sale, 1907, lot 99 Dikran Keleian, Paris, 1922, lot 66 American Art Association, New York, Commodore Elbridge T.Garry estate inherited by Mr.H.L. Warner, sale February 2-3, 1928, lot 106 Durand-Ruel, New York Durand-Ruel, Paris Private Collection, Belgium Exhibited: Paris, Bernheim-Jeune, Femmes Artistes Modernes, May 25 to Jun 8, 1935
Literature: Vittorio Pica, “Artisti contemporanei, Berthe Morisot e Mary Cassatt,” Emprium, July 1907 (illustrated p.13) Adelyn Dohme Breeskin, Mary Cassatt, 1970, p.88, no.158 (entitled “Mimi as a Brunette”) (illustrated)