SUMMARY作品解説
「八仙花」とは紫陽花の中国名で、本作で描かれるのは、額紫陽花と呼ばれる粒状の花の周りに花の形をした萼がつける種のもの。2輪のアジサイの花は鮮やかな群青に彩られ、淡墨で品よく仕上げられた茎や葉と上手に調和している。余白の取り方も彼ならではで、静かながらも凛と咲く花の余韻を楽しませるかのようである。琳派を再構築したような単純化された草花表現からは、静寂な中にも生命の充溢したエネルギーを感じさせる秀品である。
ARTIST作家解説
小林古径
Kobayashi Kokei1883-1957
新潟に生まれる。13歳で孤児となる。青木香葩に学び、16歳で上京。梶田半古の半古塾に入門。塾頭を務める。明治40年(1907)、同塾が解散。同年、第1回文展で《闘草》(山種美術館蔵)が入選を果たす。同43年(1910)、紅児会に参加。大正3年(1914)、第1回再興院展に《異端》(東京国立博物館蔵)を出品し、同人となる。同11年(1922)、前田青邨と共に渡欧し、大英博物館で《女史箴図巻》を模写する。帰国後は第15回展に《鶴と七面鳥》(永青文庫蔵)を発表するなど、日本古典の高い品格と近代感覚を統合した傑作を次々と表し、大正・昭和の院の中核をなした。昭和19年(1944)、東京美術学校教授に就任。同25年(1950)、文化勲章を受章。
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INFORMATION作品情報

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