1863年/テラコッタ
28.0×36.0×62.0cm
西洋絵画 ルネサンスから20世紀まで
会期:2025年01月11日 (SAT)~2025年03月23日 (SUN)
東京富士美術館:新館・常設展示室3
西洋絵画 ルネサンスから20世紀まで
会期:2025年04月12日 (SAT)~2025年06月22日 (SUN)
東京富士美術館:新館・常設展示室3
SUMMARY作品解説
カリエ=べルーズは、第二帝政期のフランスを中心に活躍し、アトリエには多くの職人を抱え、当時大量に建築された建造物の屋内外の装飾を担った。中でも、室内装飾の一つとして重宝されたのが小さな彫像や胸像の類であった。彼はナポレオン3世やオノレ・ドーミエをはじめ著名な政治家や芸術家、作家といった特定の人物から、ディアナなどの象徴的な人物にいたるまで、多種多様なモデルの胸像を手がけている。本作も室内の装飾品として注文・制作されたものと推される。女性は髪から肩にかけ、多数のバラの花を飾り、花や春、また豊穣の女神として知られる「フローラ」を思わせる。顔は斜め前方を向き、女性の生き生きとした視線からは作者の確かな技量が窺える。また作品右側の肩口に「A.CARRIER 1863」と刻まれていることから、本作が1863年作だと分かる。アメリカ・マサチューセッツ州のウィリアムズ大学美術館には同様の主題で1865年頃の制作とされる大理石像が収蔵されており、本作はそのエスキースである可能性も考えられる。
ARTIST作家解説
アルベール=エルネスト・カリエ=ベルーズ
Albert-Ernest Carrier-Belleuse1824-1887
フランス北東部・アニジー=ル=シャトーに生まれる。1840年にエコール・デ・ボザールに入学し、彫刻家で金工師のダヴィッド・ダンジェに師事した。1851年にサロンにデビューし、1861年に《サルヴェ・レジーナ》で銅メダルを受賞。1867年に発表した《メシア》でサロン栄誉メダルを獲得し、同年、レジオン・ドヌール勲章を受章した。彼の繊細かつ飾り気のない写実的な胸像は、大量生産を背景とした第二帝政期のパリにおいて、大いに人気を博した。彼は彫刻に加え、建築の室内外の装飾も手がけ、オペラ座の大ロビーやフランス銀行、ルネサンス劇場などパリの多くの建築装飾に携わった。また彼のアトリエでは一時期、アレクサンドル・ファルギエールやオーギュスト・ロダンなど、次世代の有能な彫刻家が働いていたことでも知られる。1876年、国立セーヴル陶磁器工場を任され、サロンにおいて磁器作品の芸術監督も務めた。
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