
マン・レイ《ヴァランティーヌ・ユゴーの肖像》1933年 石原輝雄・純子コレクション[通期展示]
『愛しのマン・レイ展』に出品されている作品をご紹介いたします。
ヴァランティーヌ・ユゴー(本名ヴァランティーヌ・グロス、1888-1963)は、フランス北部のブーローニュ=シュル=メールに生まれ、フェルディナン・アンベールに師事して素描を得意としました。
1928年頃から、アンドレ・ブルトンやポール・エリュアールなどのシュルレアリストたちと親しく交流し、夢を主題とした作品やシュルレアリスムに影響を受けた文学作品の挿絵を多く手がけました。
本作の右下には「Man Ray Paris」との自筆のサインが書き込まれ、裏には当時のアトリエのスタンプと、この写真の所有者が自身の知人であるシャンテとジャンに宛てた献辞が確認できます。穏やかな表情の彼女の容貌が収められています。