
マン・レイ《ヴェールをかぶったキキ》1922/76年以降 岡崎市美術博物館蔵 [2月16日まで]
『愛しのマン・レイ展』に出品されている作品をご紹介いたします。
キキ・ド・モンパルナス(本名アリス・プラン、1901-1953)は、フランスのモデル兼歌手で、モンパルナスの芸術家たちから愛されていました。彼女は、キスリング、藤田嗣治、スーチンなど多くの著名な画家たちのモデルを務めたことでも有名です。
1921年にマン・レイと出会い、二人は恋人関係となりました。キキはマン・レイにとって恋人であるだけでなく、彼の作品づくりに欠かせない大切な存在でした。
本作では、椅子に座りヴェールをかぶり、白く美しい二の腕を見せてポーズをとるキキが写真に収められています。彼女は、マン・レイのレンズを通して、まるでカメレオンのように違う顔を見せますが、この一枚には彼女の内面から溢れる気品が映し出されています。