
土佐光則《源氏物語画帖》より「若紫」
『源氏物語 THE TALE OF GENJI』に出品されている作品をご紹介させていただきます。
この絵は「若紫」の巻の一場面で、光源氏(左端)が、籠の中から逃げたスズメを残念がる美しい少女・若紫を垣間見る名場面です。
この作品は、17世紀の桃山時代から江戸時代にかけて、土佐光吉とその弟子である長次郎によって描かれ、詞(ことば)は複数の人物によって書かれました。「桐壺」から「柏木」までは光吉が、「横笛」から「早蕨」と重複する6場面は長次郎が描いたと考えられています。 現在、京都国立博物館に収蔵されています。
本場面は光吉の筆によるもので、独創的な発想と技巧が見事に結びついた傑作です。どうぞ、細部にまで目を凝らしてご覧ください。 本作品は、重要文化財に指定されています。
本場面は3月12日から24日まで展示されます。