
ベルト・モリゾ
テラスにて
1874年 油彩、カンヴァス 45.0×54.0cm
東京富士美術館
『印象派 モネからアメリカへ -ウスター美術館所蔵-』に出品されている作品をご紹介させていただきます。
ベルト・モリゾはフランスの印象派の女流画家で、18世紀の風俗画家ジャン=オノレ・フラゴナールの家系に生まれました。彼女はジャン=バティスト・カミーユ・コローに師事し、風景画を学んだ後、エドゥアール・マネに出会い、互いに影響を与え合いました。モリゾはマネのモデルとしても知られ、彼の名作の誕生に貢献しました。 1874年には第1回印象派展に《ゆりかご》を出品し、その後も第8回展まで出品を続けました。彼女の作品は都会的で軽快なセンスと明るい色彩が特徴で、女性的な情感が表現されています。
本作品は、1874年夏、ノルマンディ海岸のフェカンで、親戚の別荘を背景に描かれています。スーツ風の襟がついたドレスを着ており、リラックスした雰囲気が漂っています。テラスから遠景を望む構図は斬新で、海上でヨット遊びを楽しむ人々も描かれています。この作品は1877年の第3回印象派展に出品され、印象派を支持する批評家から高く評価されました。