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『サムライ・アート展』作品紹介(7)

塩見政誠 銘 鹽見政誠畫之(政誠)《馬蒔絵印籠》江戸時代中期、18世紀 東京富士美術館蔵
『サムライ・アート展』に出品されている作品をご紹介いたします。
塩見政誠(1646〜1719)は江戸時代中期の京都の印籠蒔絵師です。『装劍奇賞(そうけんきしょう)』の「印籠工名譜」にも挙げられています。
研出蒔絵(とぎだしまきえ)に優れ、後世その作は塩見蒔絵と称されました。代表作に重要文化財《比良山蒔絵硯箱》(東京国立博物館蔵)があります。
国学に通じ、和歌を詠み、絵画もよくし、特に牛を描くことが得意であったと言われています。子孫は江戸と京都に分かれて業を継ぎました。
本作は、昔形四段の印籠で、黒蝋色塗地(くろろいろぬりじ)に螺鈿と平蒔絵で骨描きの野馬を表現しています。段内部は金梨子地(きんなしじ)です。表紐通部に作銘があります。類例が数点知られています。フランスでジャポニスムを広めた中心人物として知られる美術史家ルイ・ゴンスの旧蔵です。
※撮影 大塚敏幸・尾見重治

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