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2022.05.31

「旅路の風景展」作品紹介(8)

「旅路の風景展」作品紹介(8)
吉田博《光る海(「瀬戸内海集」より)》1926年(大正15年) 木版多色刷
現在開催中の「旅路の風景展」に出品されている作品をご紹介させていただきます。
吉田博が本格的に私家版木版画の制作に着手したのは、三度目の欧米旅行から帰国した1925年(大正14年)。この『瀬戸内海集』シリーズはその翌年に制作されました。《光る海》はそのシリーズ第一作目にあたります。
時刻は日暮れでしょうか。凪の海に二艘の帆船が静かに浮かんでいます。水平線に沈みゆく夕陽が、空をほんのり紅く染め、海原に美しい光の道をつくりだしています。波間に反射する光彩が、丸ノミによる彫り跡によって見事に表現されていて、博の木版画表現に対する卓越した理解と技術を見ることができます。
この作品は故ダイアナ元英国皇太子妃が、ロンドンにあるケンジントン宮殿の執務室に飾っていたことでも知られています。

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