
当館は2012年に《タヴォラ・ドーリア(ドーリア家の板絵)》として知られる著名な16世紀の油彩画をイタリア共和国へ寄贈し、長期的な交流協定を結びました。この交流協定により、当館は2030年代まで定期的に本作を日本で展示することが可能になりました。
《タヴォラ・ドーリア》は、全貌が謎に包まれているレオナルド・ダ・ヴィンチの失われた大壁画の中心場面を描いた重要作品です。当館からイタリアへ寄贈された後、ウフィツィ美術館の所蔵となりました。
その後、本作はイタリアと日本において広く一般に公開されるとともに、研究機関による科学調査が実施されたことにより、新たな知見に基づいたレオナルド研究者の論考が発表されています。また、失われた大壁画《アンギアーリの戦い》に関する研究のさらなる進展も期待されています。
そこでこのたび、はじめて公的研究機関で本格的に実施された保存科学上の調査結果に加え、これまでイタリアと日本において発表されてきた《タヴォラ・ドーリア》に関するエッセイ・論考をまとめた学術研究書を刊行することになりました。
本書は4月12日(月)より全国の書店、アマゾン等のオンライン販売サイトで販売されます。
書名:レオナルド・ダ・ヴィンチ 失われた大壁画の記憶 ―《タヴォラ・ドーリア》徹底研究
監修:越川倫明
編集:東京富士美術館
発行:東京美術
発行日:2021年4月15日
定価:本体2,500円+税
ISBN978-4-8087-1222-8