
スカートを広げるという流行は1860年代後半に入ると収束し始め、後ろ腰を美しく見せるために膨らみを強調したスタイルが流行し始めました。
こうしたドレスは、腰を膨らませるための腰当である「バスル」の名にちなみ、「バスル・スタイル」と呼ばれるようになりました。
はちみつ色のシルクで作られたこのウェディング・ドレスにはひだやフリルの装飾に加え、オレンジの造花が縫い留められています。
一方、鏡の前で髪飾りのレースを結ぼうとする女性を描いた《鏡の前の装い》は、ピンクのドレスに薔薇と思われる造花があしらわれています。
<作品情報>
左上:ウェディング・ドレス 1873-75年頃 イギリス|シルクサテン、シルクブロケード
右上:《鏡の前の装い》ジュール・ジェーム・ルージュロン 1877年 油彩、カンヴァス
下:展示風景