
1800年代中ごろになると、スカートを円形状に膨らませることが流行し始めました。
それまでは、重ね着をすることで膨らませることしかできなかったのですが、クジラの髭や針金を輪のように重ねて組んだ骨組み「クリノリン」が発明されたことにより、円状に広がるスカートを簡単に着ることが出来るようになりました。
※それまでは、「パニエ」という左右に広げる骨組みが好まれていました。
一方、ナポレオン3世に嫁いだ皇后ウジェニーは、一説によると1855年に初めてクリノリン・スタイルを取り入れ、ヨーロッパの宮廷ファッションに流行を巻き起こしたそうです。
この肖像画でもクリノリン・スタイルのドレスを着用しております。
<作品情報>
左:イブニング・ドレス 1865年頃 イギリス|シルクサテン
右:《皇后ウジェニー》ピエール=ポール・アモン 1850年代 油彩、カンヴァス