
1804年12月2日、ナポレオン・ボナパルトはフランス人民の皇帝として「戴冠式」を行いました。ナポレオンとその妻ジョゼフィーヌが着用された衣装は残念ながら現存しておりませんが、衣装の刺繡を手がけた「メゾン・ピコ」の直系にあたる「アトリエ・ブロカール」により、忠実に再現された衣装が展示されております。
《大儀礼服》と称されるこの衣装は、赤いベルベットのマント、白テンの毛皮、金糸刺繍などの伝統的な宮廷衣装の要素を取り入れつつ、当時流行していた「シュミーズ・ドレス」の要素を取り入れ、コルセットで身体を締め付けるのではなく、ハイウェストでゆったり着こなすことが出来るドレスとなっております(この様式は「エンパイア・スタイル」と称されることになります)。
宝冠、絵画、版画も展示しておりますので、併せてお楽しみください。
<作品情報>
左上:《皇帝ナポレオン1世と皇后ジョゼフィーヌの戴冠式〔ジャック=ルイ・ダヴィッドの作品による〕》ジャック=ノエル=マリー・フレミー、1804-09年頃
右:《戴冠式の皇帝ナポレオン》ジャック=ルイ・ダヴィッドの工房、1808年頃
左下:大儀礼服(復元、皇帝ナポレオン1世、皇后ジョゼフィーヌ)、アトリエ・ブローカル制作