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「Flower × Flower 展」作品解説

本展出品作品をご紹介いたします。(※ 新型コロナウイルス感染症の感染予防・拡散防止のため、当面の間、臨時休館をしております)

川瀬巴水(1883-1957)
《伊豆湯ヶ島》
昭和11年(1936)
木版多色刷

川瀬巴水は、衰退していた江戸の浮世絵を再興させることを目的として明治時代に始まった「新版画運動」を牽引した画家である。「新版画」は、版元、浮世絵商であった渡邊庄三郎のもと、画家、彫師、摺師らが分業で制作を行うという江戸時代の伝統的な体制を尊重した一方で、遠近法、明暗、色彩表現などに西洋的な要素を加えた近代的な浮世絵で、江戸の浮世絵に続く優れた日本美術として1930年代の欧米でも高く評価された。巴水は、日本各地を旅しながら原風景を叙情豊かに表現したことから「昭和の広重」とも呼ばれた。伊豆湯ヶ島を描いた本作は、空気感や水の透明感、岩肌などが精緻に描写されており、画家の技量が最大限に発揮されている。

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