JP
やさしい日本語
ON

FAM NEWSFAMニュース

「フランス絵画の精華」展の出品作品より(8)

現在好評開催中の「フランス絵画の精華」展の出品作品を紹介します。(本展は2020年1月19日まで)

日本初公開
ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル(モントーバン、1780年―パリ、1867年)
《オルレアン公、フェルディナン=フィリップ、風景の前で》
油彩、カンヴァス
157×121.5cm
1843年
ヴェルサイユ宮殿美術館
Photo © Château de Versailles, Dist. RMN-Grand Palais / Christophe Fouin / distributed by AMF

新古典主義美術の旗手として、勃興するロマン主義に対したアングルは、こうした分類ではとらえきれない豊かな作品を残しました。
日本初公開となるこの肖像画のモデルは、国王ルイ=フィリップの息子オルレアン公フェルディナン=フィリップ(1810-1842)。1840年、オルレアン公フェルディナン・フィリップから肖像画の依頼を受けたアングルは、有能な政治家であり、国民の敬愛を集めていたオルレアン公の依頼を受諾しました。オルレアン公の肖像画は1842年4月に完成し、大成功を収めました。しかし、公爵はこの年の7月に事故によって急逝し、彼の死を悼んだ王家や政府などがこの肖像画のレプリカを望みました。
この肖像はそのひとつで、原作は室内での肖像でしたが、この作品ではサン=クルーの公園を背景に、原作と同じ姿でポーズをとる公爵を描いています。精密な写実性と曲線が生み出すデフォルメが共存するアングルの魅力あふれる肖像画です。

CURRENT
EXHIBITIONS現在開催中の展覧会