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「遥かなるルネサンス」展出品作品紹介

「遥かなるルネサンス」展に出品されている作品を紹介します。

フィレンツェ、トスカーナ大公の工房
《リヴォルノ港の景観を表したテーブル天板》
1601-04年 貴石のモザイク 107 × 94 cm
フィレンツェ、ウフィツィ美術館
Antonio Quattrone, Firenze

1585年3月1日、天正遣欧少年使節一行は、スペインを経由して、トスカーナ大公国のリヴォルノ港に到着し、イタリアへの第一歩を印しました。
この象嵌細工のテーブル天板は、一行が訪れた16年後の1601年に、3年の歳月を費やして制作されたもので、当時最も貴重だったラピスラズリなどの石を使ってリヴォルノ港の景観が克明に描き出されています。トスカーナ大公フェルディナンド1世の工房で生み出された傑作のひとつです。
画面の上部には、造船所の防衛のために設けられた要塞や建物が見えます。その下に広がる波間には、小さな島々に建てられた建造物が浮かびあがっています。正面にそびえ立っているひときわ大きな塔は、1598年にフェルディナンド1世が再建させたメローリア灯台です。
伊東マンショら一行が、初めて踏むイタリアの地。この灯台こそまだなかったものの、船の上から、これとほぼ同じ様な景色を見たにちがいありません。
長崎の港を出てから、およそ3年。4人は大友宗麟たちから託された使命の重大さに、改めて武者震いをする思いだったことでしょう。

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