
現在開催中の「花鳥風月ワンダーランド」展も残すところ2週間余りとなりました。11/25より後期展示が始まっております。今週から11回に分けて、本展の後期展示作品の中から主要なものを紹介していきます。
芸術の秋。日本人に宿る自然を愛(め)でる美しい心を当館所蔵の美術作品を通して、再確認してみてはいかがでしょうか。
鈴木其一(1796-1858)
《風神雷神図襖》
江戸時代後期
絹本着色 襖(八面)
俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一という琳派の巨匠たちによって手がけられてきた重要画題である「風神雷神図」を、抱一の高弟其一が再構成した作品。三人の巨匠が二曲の金地屏風に二神を収めたのに対し、其一は絹本の襖四面に各々を描いた。この襖絵は元々四面が表裏にくるよう仕立てられていたという。白と緑の軽やかな色彩を得た風神・雷神は、墨の滲(にじ)みを使った柔らかな雲を従えて、与えられた広々とした空間を我が物顔で支配している。