東京富士美術館企画の「レオナルド・ダ・ヴィンチと『アンギアーリの戦い』展」の関西展(主催=京都府、京都文化博物館、京都新聞/共催=京都市)を記念する講演会が、8月22日午後、京都文化博物館で開催されました。
はじめに、ルーヴル美術館のグザヴィエ・サルモン素描版画部長が登壇し、「ルーヴル美術館のレオナルド・コレクション」と題して講演。レオナルドの生涯に触れつつ、同館所蔵のレオナルドの素描作品の数々について紹介をしました。
続いて、レオナルド研究の第一人者であるオックスフォード大学のマーティン・ケンプ名誉教授が、「レオナルドの《アンギアーリの戦い》における躍動と感情」と題して講演。未完の壁画「アンギアーリの戦い」にまつわる素描や作品を解説し、レオナルドは人間や馬を描く際、目に見える体の動き(Motion)にとどまらず、見えざる心の内面の動き(Emotion)まで表現しようとしていたとの考察を述べ、本展覧会で公開されている《タヴォラ・ドーリア》は、こうしたレオナルドの精神が脈打つ重要な傑作であると語られました。