JP
やさしい日本語
ON

FAM NEWSFAMニュース

映画「画家モリゾ、マネの描いた美女〜名画に隠された秘密」

今年の夏は画家を主人公にした映画が次々と公開され美術ファンの間で話題になっています。6月13日(土)よりYEBISU GARDEN CINEMAほかで封切られた「画家モリゾ、マネの描いた美女~名画に隠された秘密」(配給:ユナイテッド・シネマ、配給協力:KADOKAWA)は、名だたる画家とともに、印象派の始まりに参加しながら、時代に翻弄された、女性画家ベルト・モリゾの物語。まさに、印象派がうまれる瞬間、モリゾがルノワール、モネ、ドガらと出会い、第1回印象派展開催へ動きだすところまでが描かれています。

モリゾは画業の初期において、マネの絵のモデルを務め、マネの代表作《バルコニー》、《すみれの花束をつけたベルト・モリゾの肖像》で描かれている女性であり、映画では今まで描かれることのなかったマネとの関係が描かれています。女性の社会的地位が確立していない時代に女性画家のはしりとなった人物で、1人の女性の生き方のドラマもあり、モリゾとマネのアトリエの場面に登場する名画も楽しめます。

本作の監督は、ゴダールやカラックスら名監督の作品で撮影監督として映画を撮ってきた女性監督カロリーヌ・シャンプティエ。
主役ベルト・モリゾに、フランステレビ界の大スターであり、シャリー・マクレーン主演の『ココ・シャネル』(09)や、ソフィー・マルソー主演の『恋人たちのアパルトマン』(1995)などに出演しているマリーヌ・デルテリム。
巨匠エドゥアール・マネを演じたのはフランソワ・オゾンの『焼け石に水』(00)でセザール賞有望若手男優賞にノミネートされたマリック・ジディ。

当館では本作の主人公であるモリゾとマネの作品を所蔵しています。モリゾの作品は2点。その内の1点《テラスにて》は、現在、徳島県立近代美術館で6月21日まで開催中の当館所蔵作品展「美の饗宴」展に出品中。その後は愛媛県の八幡浜市民ギャラリー(6月27日〜8月30日)に巡回します。本作は第1回印象派展が開かれた記念的な年である1874年に描かれ、77年に行われた第3回印象派展にモリゾが出品した12点のうちのひとつ。印象派を擁護する批評家の目を奪い、賞賛を受けました。背景は夏の避暑地フェカン。モデルは父方の親戚のリュシアン・ブルジエ夫人です。もう1点、モリゾのパステル画の名品《バラ色の服の少女》は当館常設展示室にて8月30日まで展示中です。

マネ《散歩》(常設展示室にて展示中)は、マネが描いた女性のポートレイトの代表作の1点です。この作品のモデルであるガンビ夫人は、モリゾの親戚筋の女性ともいわれています。

映画をお楽しみになったあとは、ぜひ当館で展示中のモリゾとマネの作品をご鑑賞いただき、二人の芸術家に思いを馳せていただければと思います。当館では現在、「レオナルド・ダ・ヴィンチと『アンギアーリの戦い』展」も好評開催中です。16世紀・イタリアを舞台としたレオナルドとミケランジェロ、ルネサンスの二人の巨匠の芸術と、19世紀フランス、印象派の芸術をお楽しみいただける絶好の機会です。皆様のご来館を心よりお待ち申し上げております。

(c) K’ien Productions – 2012Reserved.

CURRENT
EXHIBITIONS現在開催中の展覧会