
開催中の浮世絵展の展示作品を随時ご紹介します。
歌川国芳
坂田怪童丸
天保7年(1836)頃
金太郎こと坂田金時は、足柄山の山姥の子として生まれ、小さい頃より怪力で知られていた。のちに源頼光に仕えて、頼光の四天王の一人となり、大江山の酒呑童子を退治した。江戸時代の浄瑠璃や歌舞伎で怪童丸の名で登場して以来、怪童丸とも呼ばれる。中国では鯉は滝を登って龍になるといわれており、赤龍の子どもとされる金太郎が、滝を登ろうとする巨大な鯉を抱え上げている本図は、子どもの成長を祈るめでたい「吉祥図」としての意味もあるのかもしれない。
(本作は前期のみ展示)