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「とことんみせます!富士美の浮世絵」出品作品紹介(1)

開催中の浮世絵展の展示作品を随時ご紹介します。

歌川国芳
英雄大倭十二士 楠河内判官正成
安政1年(1854)

 楠木正成は、鎌倉時代末期から南北朝時代にかけて活躍した武将。後醍醐天皇とともに鎌倉幕府を倒し、建武の新政の立役者となった。その後足利尊氏の挙兵に対し、勝ち目の無い戦ながら、最後まで天皇に付き従い、湊川の戦いで討ち死にした。足利尊氏も正成の死を「誠に賢才武略の勇士とはこの様な者を申すべきと敵も味方も惜しまぬ人ぞなかりける」と惜しんだという。その後この時代を書いた物語「太平記」が大流行すると、楠木正成の忠孝と軍略が後世の手本とされた。江戸時代に起こった赤穂浪士の討ち入りを題材にした「仮名手本忠臣蔵」の大星由良助(大石内蔵助)は、まさに楠木正成の生まれ変わりのような存在として庶民の人気を博したという。「大楠公の歌」は楠木正成と息子正行の桜井の駅での別れを題材としている。
(本作は前期のみ展示)

歌川国芳 [寛政9年〜文久元年(1797−1861)]
 歌川国芳は、文化11年から文久元年(1814−1861)にかけて活躍した江戸の浮世絵師。初代歌川豊国の門人。「通俗水滸伝」を題材とした出版が大評判となり、「武者絵の国芳」として人気を博した。浮世絵の代名詞である役者絵・美人画をはじめ、風景画、歴史画、動植物画、戯画、そして風刺画など幅広いジャンルで活躍した。同時代の他の絵師には見られない近代性や自由な発想が、近年注目を集めている。門人に月岡芳年、河鍋暁斎、落合芳幾、芳虎、芳艶、芳藤らがおり、その画系は月岡芳年から水野年方、鏑木清方、伊東深水、岩田専太郎へと昭和まで続く。

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