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「ロイヤル・アカデミー展」出品作品紹介(1)

開催中のロイヤル・アカデミー展の出品作の解説を随時ご紹介します。

ジョシュア・レノルズ(1723–1792)
《セオリー》
1779-80年 油彩/カンヴァス 178.0×179.0 cm
ロイヤル・アカデミーに寄託
© Royal Academy of Arts, London

ロイヤル・アカデミー初代会長のレノルズが、アカデミーの拠点であったサマセット・ハウスの図書館のために描いた天井画。考えるポーズをとり、雲の上よりさらに高みを見つめる女神。手にした巻物には「セオリー(=理論)は真の本質についての知識である」と記述されている。図書館はアカデミーにとって重要かつ誇らしい場所であった。それは、流行や個人の嗜好を超えて、厳選された書物から普遍的な価値ある基礎を築くための場であると考えられていたからである。図書館には国王ジョージ3世をはじめ、レノルズ自身も貴重な本を寄贈している。その重要な場所を飾った本作には、彼自身の芸術の基盤である知的野心とともにアカデミーへの理想が凝縮されている。
東京富士美術館 学芸員 平谷美華子(ひらやみかこ)

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