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「江戸絵画の真髄」展出品作品紹介(6)

現在好評開催中の「江戸絵画の真髄」展、初公開作品18点を含む70点の江戸絵画の魅力満載の展覧会です。そこで、“見逃せない”作品をピックアップしてシリーズでご紹介して行きたいと思います。

池大雅(いけのたいが、1723-1776)
《溪上高隠図(けいじょうこういんず)》
江戸時代中期
紙本墨画淡彩・軸装
128.5×54.5cm
※展示期間:前期(4月8日〜5月18日)

大雅30代頃の作。人物と家屋は繊細な筆致で、周りの山と樹木などは太い線を効果的に用いて描いています。藍(あい)を主体に、代赭(たいしゃ)、黄、朱などを施し、清らかな趣(おもむき)のある作品です。大雅様式の大きな特徴である色彩の濃淡が、画面全体を奥行きと広がりのある空間に仕上げ、高所に隠棲する超俗の仙客(せんかく)を描き、仙境を現出しています。妻である玉欄(ぎょくらん)の《辺溪閑遊図(へんけいかんゆうず)》とともに、大雅・玉欄夫妻が共同で制作した数少ない大変に貴重な名品の一つです。
(東京富士美術館 学芸員 白根敏昭)

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