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「江戸絵画の真髄」展出品作品紹介(4)

現在好評開催中の「江戸絵画の真髄」展、初公開作品18点を含む70点の江戸絵画の魅力満載の展覧会です。そこで、“見逃せない”作品をピックアップしてシリーズでご紹介して行きたいと思います。

山本元休(やまもとげんきゅう、生没年不詳)
《大職冠図屏風(たいしょかんずびょうぶ)》
江戸時代前期
紙本金地着色・屏風装(六曲一双)
166.5×357.8cm(各)
※展示期間:前期(4月8日〜5月18日)

「大職冠」は藤原鎌足と竜王の宝珠(ほうしゅ)争奪戦を描いた幸若舞(こうわかまい)の人気の演題です。中国から日本に運ばれる宝珠が竜王に奪われ、鎌足の依頼を受けた海女がそれを取り戻す筋書。冠位十三階の最高位である大職冠を得た唯一の人物であることから、大職冠は鎌足の異名となりました。本屏風はこの物語を巧みに構成した優品であることから、現在まで詳細が不明の画家「法橋(ほっきょう)(山本)元休」を知る重要作品と位置づけられる貴重な屏風です。
(東京富士美術館 学芸員 鴨木年泰)

☆トピック
本展では展示室内にタッチパネルを使った鑑賞システム「見どころルーペ」を設置しています。今回ご紹介した《大職冠図屏風》をはじめ、前期出品作品より2点、後期出品作品より2点の屏風作品を掲載。屏風の場面を指でタッチするとルーペ状に拡大された場面とともにその場面の説明が表示されます。解説キャプションの説明文ではわかりにくい場面の内容をわかりやすくご案内するシステムです。屏風の中に隠された「見どころ」探しも楽しめますのでぜひお気軽にお試しください。

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