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「江戸絵画の真髄」展出品作品紹介(3)

現在好評開催中の「江戸絵画の真髄」展、初公開作品18点を含む70点の江戸絵画の魅力満載の展覧会です。そこで、“見逃せない”作品をピックアップしてシリーズでご紹介して行きたいと思います。

本阿弥光悦(書/1558-1637)、宗達派(下絵)
《草花図下絵和漢朗詠集和歌》
江戸時代前期
紙本金地着色墨書・額装
80.7×40.6cm
※展示期間:前期(4月8日〜5月18日)

本図と《草花図下絵漢詩》は、もともと六曲一隻の屏風仕立てのものを各扇(かくせん)ごとに表具(ひょうぐ)したもの。本図は右から四扇目に置かれていました。宗達工房の下絵と思われる金地の秋草図に、光悦が和歌を認(したた)めています。和歌は平安前期の女流歌人伊勢の作で、和漢朗詠集 上巻 春の雨の部にある「青柳(あをやぎ)の 枝にかかれる 春雨(はるさめ)は いともてぬける 玉(たま)かとぞみる」を数行に分かち書きにしています。「寛永の三筆」に数えられる光悦の流麗(りゅうれい)な筆法(ひっぽう)を見てとることができます。
(東京富士美術館 学芸員 鴨木年泰)

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